20代半ばの僕は、しばしば今の自分の年齢よりも大人に見られたいと思うことがあります。一方、歳を重ねるにつれて周りへの第一印象が、若く、元気ですこやかであればと思う時が来るかもしれません。
上品な色合いと風合いが特徴の草木染め。そのスカーフは若者からご老人まで年齢を問わず愛用でき、相手に与える印象を良くしてくれる暮らしの道具です。
台東区の蔵前に本店をかまえる「MAITO」は、天然素材とメイドインジャパンの草木染めの衣服や雑貨を展開するブランド。ブランドオーナーであり染色家の小室真以人さんが大切にしているのは、ものづくりの文化を継承し、発展させることです。
「MAITO」さんはブランドの活動のひとつとして、“草木染めを直接つたえる”ワークショップをおこなっています。
その季節の旬の染料でスカーフを染める体験。毎月、予約でいっぱいになるほどの人気ぶりなんです。
今日は「MAITO」さんのワークショップにお邪魔してみましょう。
草木染めの衣服や雑貨をつくる術を学ぶ
「MAITO」で開催している草木染めワークショップは、草木染めについて学び、また染色家の小室真以人さんから指導を受けられます。
江戸時代には藍染に並び人気を博した紅花染め。丁寧な説明に、参加したみなさんは耳を傾け、目を凝らしています。
職人の技を観る
ぷるぷるとわずかに震える腕、こぶし。そして身体全体を使って紅花を絞り、染液をつくっているように見えました。その姿に、職人の技を感じられます。
科学の実験中のような、ドキドキ感
紅花から色を抽出した液に、酢酸を入れると深い赤色からオレンジ色、そしてピンク色へと変化していきます。それは一瞬のことで、目が離せません。まるで科学の実験をたのしんでいるような感覚です。
メモを取る方、写真を撮る方。おどろき、喜ぶ声が聞こえてきました。
染める・つくる楽しさを味わう
初めてでも、綺麗に仕上がる
染色の具合はスタッフから助言をいただけるので、初めてでも綺麗に仕上がりますよ。
ストールが染め上がりました。爽やかなピンク色が、紅花染です。
自分で染めあげたストールは、贈り物にもおすすめ
ご覧の通り、紅花染めといっても、ひとそれぞれ。やや色が違いますね。その違いというのは、野菜やくだもののように、色が生きている証です。
草木染めのワークショップでは、ストールの素材選びから、染めまでを一貫して体験できます。自分で染めあげたストールは、自分へのご褒美にも贈り物にも良いでしょう。
幅広い世代の方とたのしく話せることも、貴重な体験
わいわいぶりが、伝わるでしょうか。
じつはこのワークショップがおこなわれたのは、平日のお昼まえのことです。
なかなか足を運びづらい時に、幅広い世代の方々が集まり、いっしょにものづくりしてたのしんでいる。「MAITO」さんが素敵な場所であるということがよくわかりました。
好きな色を身につける生活
桜染め、紫香染めなど、季節の草木染めをおこなっているため、草木染めのワークショップはリピーターが多いそう。
自分の好きな色をふだんの生活で身につけることで、心が元気になり、相手に与える印象も良くなりそうです。
実際に手を動かし、ご自身で染めあげた紅花染めのストールを見てほほえむ参加者のみなさんに、そう感じることができました。
おしまい。
おなじ蔵前の文具店「カキモリ」さんの「inkstand by kakimori」でも、好きなの色の万年筆用のインクをつくれますよ。おすすめです。
(文・写真/タクロコマ)
このお店のこと
MAITO 蔵前本店
住所:東京都台東区蔵前4-14-12 1F
電話:03-3863-1128
営業時間:11:30 – 18:30 定休日:月曜日
アクセス:都営浅草線 蔵前駅:A0出口より徒歩2分
都営大江戸線 蔵前駅:A6出口より徒歩9分
公式サイトはこちら
※公式サイトにて、草木染めワークショップの予約ができます